キャラクター研究:若島津健 各論



外見編 性格編 行動編


外見編

長髪・色白・女顔、彼の魅力は多数あれど、なんといっても「目」であります。
しかめた眉の下のつぶらな瞳。ガンとばしててもかわいい顔。日向さんの前でだけ眉尻が下がってしまうのもグー。

【私がかわいいと思う若島津の顔セレクション】
  
見本を見て描きましたがいまいち似ませんでした。どの場面かわかりますか?

かわいかったですねえ、中学生編。なんでこんなにかわいいのに攻様にしちゃう人がいるのさ、と思っていたのは私がコジケンさんだからでしょうか・・・。それにしても初代アニメ、岡○氏のキャラクター設定は彼の魅力を正確にとらえていて素晴らしかった(しかし作画スタッフの力量か、回によって別人のように変な顔になってたのが残念。設定通りに描いてくれれば何の問題もないのに・・・)。

だから、ワールドユース編以降の顔の長い、眉と目がくっついていない、自信満々顔のザツな若島津は、到底若島津とは思えんのです。ボクシング漫画のあたりで完全に変わった絵柄を、(余程オランダユース編の評判が悪かったのか)ワールドユース編連載にあたって戻してきたのは驚嘆すべきことですが、若島津の顔なんか細かく覚えてないんだろうなあ、T先生。髪長きゃいいだろって感じ。まあROAD TO 2002以降はまた別の方向に絵柄が変わってしまったので他のキャラの顔もすごいんですけどね・・・。でも岬くんなんて比較的よく描けてるのに・・・。


性格編

控えめでハッタリ好き、冷静で感情的、忍耐強いがキレやすい、プライド高いが従順・・・
かなり分裂気味のよくわかんない性格ですね。しかもシリーズごとにまったく印象が異なっています。
中学生編に入って彼の印象が変わった最大の理由は
性格云々より髪型だと思いますが、何であんなふうにしたん
でしょうね。私の妄想ではあの長髪は日向さんのシュミで、
前髪は日向さんが切っている、というものですが・・・ダメ?

小学生編:不敵な仕事師
中学生編:健気な嫁
ワールドユース編:自意識過剰な凡才
ROAD TO 2002編:?(出番少なく不明)

まあ女顔に男らしい性格、という意外性とともにこのわけのわかんない性格がミステリアスな魅力なんですよね。
そして「日向さんの前ではかわいい」「日向さんと他で態度が違う」「東邦に入ってからおとなしくなった」という断片的な情報と合わさって読者の妄想をかき立て、「私だけの健ちゃん像」が膨張していくのですが・・・。

しかしワールドユース編は許しがたいものがありましたね。もともと彼はあんなに他人との比較にこだわる人じゃなかったはず。自身の成長と尊敬する人への忠義のために、ただ無心に技を磨く剣士のような印象だったのに・・・若林、若林って・・・。結局、若島津のキャラなんかどうでもいいんだなあ、T先生。きちんと性格を設定せず、話の展開上、都合のいいように動かしてるだけなのがありありとわかります。ROAD TO 2002ではほとんど出ないし、たまに出てくると吹っ切れたのか妙に自信満々ですね・・・幸せならいいなあ・・・。


行動編

彼の行動で最大の謎は東邦に入学したことです。
「若島津は愛する日向さんを追っていったのよ」という同人女的解釈はとりあえず置いといて(もちろん私もそう思ってますが)、ここではあくまで原作の(とぼしい)設定のみを検証し、「なぜT先生は若島津を東邦に入れたか」を考えていきたいと思います。

東邦学園入学式。彼の嫁さん化はここから始まる。いったい
何の義理で空手三段の彼がこんなことに・・・。
彼の個人的なエピソードはほとんどありません。
唯一、父親と「優勝できなかったらサッカーをやめる」約束をした話が唐突に出てきますが、それ以外は試合をしているだけと言っていいでしょう。日向、松山、三杉などの主要キャラについては家庭や学校生活、恋愛、チームメイトとの友情など私生活が垣間見られるエピソードがあるものですが、若島津には親父と空手の話のみです。タケシでさえ日向との出会いの場面が描かれているのに若島津の話は皆無です。

だいたい彼は日向といつからのつきあいなのでしょうか。
小学4年生の日向が「どっかからかうまいゴールキーパー連れてこなきゃ」と発言しているので、この時点ではサッカーを始めておらず、日向と知り合いでもないことが推察されます。
また、6年生での全国大会の準決勝で出てくるまで無名だったことを考えると、5年生の夏の大会時は明和FCに入っておらず(入っているのに使われないということは、実力を考えるとありえない)、次の大会のためにスカウトされ急遽育成されたキーパーと思われます。もともと幼馴染でつきあいの長い親友、というわけではなさそうです。

吉良監督のセリフに「おまえ(日向)を慕って東邦に入学したタケシや若島津」とあるので日向を慕っているのでしょうが、そもそもなぜそんなに慕っているのかまったくわかりません。
タケシのようにもともとサッカー好きで、自分の実力を認めてもらってうれしいとか特訓してもらってありがたいとかいうのなら理解できますが、若島津の本道は空手。素質を見込んで明和FCの方からお願いして来てもらったと考えるのが妥当で、日向に感謝する義理はないでしょう。全国大会の直前に交通事故に遭うという痛恨の大失態があり、それでも優しく見舞いに来てくれた日向に感動したらしい場面もありましたが、それで恩義を感じたとしても、ふらの戦のピンチを救ったことで借りは返したのではないでしょうか。

事故のため出場機会が少なく、唯一フル出場の決勝では負けたため、せっかくサッカーがおもしろくなってきたのにやりたりない、という思いはあったでしょうが、それなら明和東でやればいいはず。
父親への言い訳は「小学校のときできなかった全国制覇を中学でなしとげたい」だったようですが、そりゃあ父さん納得いかないでしょう。小泉さん(本当は松本さんなんでしょうが、これで慣れちゃってるので・・・)がスカウトに来た可能性もありますが、それなら一言「スカウトされて入ったのはいいが・・・」みたいなセリフがあってもいい。でも、どうせスカウトするなら若林だよなあ。若林が断ったって話もないし・・・(それで代わりに入ったのなら本当に悲惨である)。

使えそうなエピソードが尽きてしまったので、ここでまとめに入ります。
(やはり若島津の心情は原作からはまったく推測できないので無視します。)
ジャンプ的にも日向率いる東邦、若島津率いる明和東の方が実力伯仲してるし因縁の対決で盛り上がりそうですが、なぜT先生はそうしなかったのでしょうか。以下推測です。

1.翼が強すぎて日向一人では敵わないため、若島津を付けた。
決勝で、翼対日向だけでなく翼対超強力キーパーの対決も描かないと盛り上がりに欠ける。ドライブシュートを止められるレベルのキーパーなら誰でもいいが、新キャラを考えるのが面倒だった。

美里龍二くんという。キャプテンの名を覚えていないのは
若島津中心主義たる所以。ずっと連載を読んでいたのに
この二人以外は何も覚えていない。主人公の顔さえも・・・。
2.翼・若林の勝ち組と、日向・若島津の負け組の対比を際立たせたい。
挫折を知らない天才の栄光を、彼らに追いつこうともがく凡人どもの存在によって引き立てようとした(負け組の方に人気が集中してしまったのは、「判官びいき」を考慮しなかったT先生の誤算・・・)。

3.日向と若島津はもともとセットである。
T先生の野球マンガ「エース」が証拠です。出てくるのですよ、日向モドキのガラの悪いキャプテンと、長髪女顔で敬語を使う「美里くん」が・・・(右図参照)。T先生のシュミなんでしょう。横暴なキャプテンには物静かな美少年が付き従っているもの・・・。

だいたいこんなところでしょうか。上記推測のうち最も信憑性が高いのは3です(証拠があるため)。
結局、若島津が東邦に入るのに理由なんかいらなかったのです。
日向と若島津は、原作者様公認の「離れられない宿命の二人」なのでした。
「日向VS若島津」なんてあるわけがありません(だから日向さんはJリーグに入らない)。ワールドユース編以降離ればなれなのは世を忍ぶ仮の姿。またいつか二人の世界に戻るのよ・・・(若島津のキャラクター研究だったのに結局カップリングの話になってしまいました。やはり単体では物足りない彼・・・)。


[ブラウザバックでお戻りください]