2023年7月 第10話
今回ようやく岬君登場。若島津のクラスに転入し、そこで明和FCの話を聞いて入団テストを受けるという経緯になっています。
しかし、とうとう2年を超えましたよ。いつまで続くんだろう。内容は全然問題なく楽しんでおりますが、あまりに小出しすぎる。最近は3か月おきだし、せめてもう少しページ数を増やしていただけないものでしょうか…。
2023年10月 第11話・第12話
願いが聞き届けられました! 今回はなんと2話掲載で50ページ!! 本編と遜色ない分量です。こっちに注力した方が良いと、ようやく気付いていただけたんでしょうか。
前の学校で若島津に叩きのめされたザコどもが中学生を引き連れて仕返しに来ます。一人でなんとかしようとする若島津のもとへ、頼まれもしないのにバイトも放り出して駆けつける日向。若島津が日向との交流を通して「友情」「仲間」「チーム」の意味を理解していく過程が懇切丁寧に描かれています。
二人が今のような関係を築くには相当なドラマがあったと、サッカーだけではない人間的な結びつきが必要と、そういうことですよね先生。やっぱりね、日向と若島津だと普通のチームメイトにはならないんですよ。さらっと過去バナ描こうとしたらとんでもなく長くなってしまったのは、若島津がそう簡単には落ちないから。しつこく迫ってモノにした後も、捨て身の覚悟で熱意を示し続けねばならない。
岬君なんかは日向が知らんうちに入団してて、タケシに紹介され何事もなく初対面終了。日向も巧い選手が入ったと喜んで一緒に練習してる感じで、「そんな小細工覚える必要はねえ」みたいに反発する様子すらなかった。ここに運命的な要素は求めないということでしょう。
これほどまでに最初から小次→健だったとは、さすがの私も想像できませんでした。孤高のクールな若島津が暑苦しい日向にほだされて心を開いていく様というのはまさに私の理想なのですが、本当にそうだとは思ってなかった。それは、小学生編を読む限り、日向の方が孤高の存在だったからです。人間不信でギリギリ状態だった日向に、あの面倒臭い若島津を必死で口説いたりする余裕はないだろうと。しかしこの5年生の日向は、天真爛漫で仲間想いで孤独の影など欠片もなく…もしや、日向の人間不信のきっかけは、父ちゃんではなく若島津の事故だったのか?
そんなこんなで妄想は尽きませんが、12話で若島津がついにGKとして公式戦に出場。心配して見に来た父さん兄さんの前で(このへんが箱入り娘っぽい)、無失点デビューを果たします。めちゃくちゃ顔が可愛い。そして次はまた3か月後と。
ちなみに日向の母ちゃんの名前は正代(まさよ)。長年同人やってると、こういう些末な情報が気になるものです。
2024年1月 第13話
次号をもってC翼マガジン終了、本編連載終了、明和編も終了となることが発表されました。あと2〜3年はかかると覚悟を決めていたのに…次で終わり!?
引退決断までの経緯、このご時世でマンガ制作が困難を極めていた等の事情を知り、小出しすぎるの何のと文句を言っていたことを深く反省。そして前回めちゃくちゃ増量して何とか4月までに片を付けようと頑張ってくださった先生に、心から感謝の意を捧げます。
で、話は公式戦が続いております。今回の見どころは三角蹴りセーブ誕生の瞬間ですね。この大会は10月8日〜10日の3連休に行われている県大会で、今のところ日向は商店街のバイトのため出場していません。そういえば前号で新聞配達もちゃんとやってました。
2024年4月 第14話
いきなり最終回を迎えた明和編。終わってしまうのはやっぱり淋しいような、もうこれ以上驚愕の新事実が発覚することはないんだと思うとホッとするような…。
県大会は準決勝から日向が出場し、見事優勝。この時のチームが明和史上最強だった、という感じでまとまりました。結局若島津は最初からGKとして入団し、キーパーコーチから指導を受け、GKとして公式戦デビュー、PKを止めるなど大活躍してGKの面白さに目覚め、FWからコンバート云々の件はついに出てきませんでした。この流れで「原点はFW」なんて無理すぎると思いましたが、やはりなかったことにされたようです。都合の悪い設定は作った当人であっても無視していい、本編と辻褄が合わなくたっていい、自由でいいんだと自ら範を示してくださいました。
五輪編でタケシが言っていた「若島津さんは日向さんがいたからGKをやっていたけど」、これはFWには日向がいるので若島津はGKに回されたという意味ではなく、文字通り日向のためにGKをやってたわけです。サッカーのルールも知らない状態で、「日向との約束を果たす」ただそれだけのために、空手から身を引く決意を固め(若父の勧めで二刀流になりましたが)、すべてを懸けてキーパーの練習に打ち込んだ若島津。一本気にも程がある。同人誌でもこんな凄い話読んだことないです。
また、10月の日記で「日向の人間不信のきっかけは、父ちゃんではなく若島津の事故だったのか?」と書いてますが、その通りでした。5年生までの日向は子供らしくサッカーを楽しんでいたとのことで、キャラが違うのも意図的だったと。人が変わったように厳しくなってしまったのは、若島津の事故以降であることが判明しました。父親を亡くし家庭が大変な状況になっても明るさを失わなかった日向が、若島津の事故には人格が激変するほどのショックを受けたと考えられます。
いろいろと腑に落ちました。ここから先は描かれなくても想像がつきます。若島津が入院中、伝え聞くのは荒れ狂う日向とチームの惨状。自分のせいで、太陽のようだった日向に暗い影ができてしまった。俺が明和FCに入ったことを、あんなに喜んでくれたのに。ものすごく頼りにしてくれて、大事な仲間だと言ってくれて――なのに、よりにもよってこの俺が、絶望のドン底に叩き落としてしまった――。初めての挫折と壮絶な負い目。そんな中で日向は、いつも通りの笑顔で見舞いに来るのです。そりゃあ敬語にもなりますよ。1年でやめられませんよ。押し倒されたら抵抗できませんよ。ああ、全部つながった!
何十年も考え続けてきたことが大筋当たっていて、既存の設定すら改変して私の妄想に寄せていただいたような気分になれて幸せです。若島津にベタ惚れで押せ押せの日向と、だんだんに心を開いていく生真面目な若島津。夢じゃなかった。ほんとに仲いいんだこの二人。規格外な者同士が運命的に出会い、他人には理解不能の強い絆を育んでいくストーリー。成るべくして成った最高のカップルであることが、本作を読んできてよーくわかりました。
Y先生、長い間お疲れ様でした。最後の最後に明和編を描いてくださってありがとうございました!