11月3日午前、私はいつものように商売道具一式と夫の手作り弁当を持って家を出ました。
しかし向かった先は職場のある新宿方面ではなく荒川区町屋、そう、若島津健オンリーイベント「若堂流交流会・疾風乱舞」会場です。私はこの日、夫に内緒で休みを取り、仕事と偽ってイベントに参加したのでございます。コミケに行くのにダンナに弁当を作らせる嫁ミキコ。人非人といわば言え。アリバイ工作は隠れオタ嫁の宿命。途中デパートの屋上で弁当を食べていたという事情によりイベント開始時刻には大幅に遅れましたが、なんとか昼過ぎには現場に辿りつきました。
実は私、イベントなるものに客として参加するのもこれが初めて、いや正確に言うと中学生の頃に田舎の公民館のような場所で開催された小規模なコミケに行ったことがありますが、その1回を除けば全くの未体験ゾーン。まさかこんなトシになって足を踏み入れることになろうとは! はっきり言って異様なほどビビっておりました。恥を忍んで名乗り出ようと決心したものの、もう弁当ものどを通らないくらい(全部食べましたが)緊張していたのでございます。
会場はギャラリースペース風の明るく広々とした空間で、それほど混み合うことも閑散とすることもなく、自分と同じくらいかもう少し上の世代の人たちが終始まったりと過ごしている様子でした。大人のイベントですね〜(当然か)。私は取るものも取りあえず原稿を描かせていただいた博多どんたく様と色黒&色白同盟様にご挨拶し、持参のスケッチブックに若島津を描いていただき(しかみいさん、クロウさん、sunoさん、ありがとうございました!)、ぐるぐるスペースをまわって本を買い込み、壁面を彩る原作者のサイン色紙や初代アニメ時代のポスターなどのお宝を堪能。その後はただひたすら休憩スペースに陣取って請われるままに陽○島津を描き続けたのでありました(皆さまリクエストありがとうございます)。
イベント終了後はお茶をご一緒させていただきました。メンバーはクロウさん、しかみいさん、sunoさん、美紗さん、もんぷちさん、ゆのまゆさん、わんこさんと私三木の8名。
常日頃コジケン研究の文章推敲に全力を尽くし、ろくでもない妄言をいかにもっともらしく見せかけるかに心血を注いでいる私に、慣れぬ一発勝負の生トークはテンポが速すぎ、皆さまの迫力にすっかり気圧されてしまったのですが、「コジケン」だの「若島津」だの、攻めだの受けだのいう単語を誰はばかることなく声に出して言えるだけでも幸せでした。サイトで何十回何百回となく書いているこれらの言葉、音声として聞いたり言ったりするのなんて15年ぶりくらいじゃなかろうか。まさに「声に出して読みたい日本語」。うう…快感…。
そして、皆さんとてもいい方ばかりで感激いたしました。ネット初心者で、しかもサイトの内容が特殊なため「変な人だと思われてるかも」「苦情が来たらどうしよう」と恐れるあまり掲示板も設けず、自分から他のサイト様と交流を持とうともしてこなかった自らの不明を恥じた次第です。「いつも楽しみにしてます」と言っていただけることの何と嬉しくありがたいことか! コジケンの人ってみんないい人だなあ…。
仕事と偽ってしまったため飲み会には参加できず、しゃべり足りない想いを引きずりながらお別れ。
帰り途、スゲー美人のしかみいさん(どうしても言及せずにいられない)をはじめ、どの方も明るく可愛くておしゃれな方ばかりだったのを思い返し、深く考えこんでしまいました。
いったい何故この人たちがオタクなのか。
この一見オタクとは何の関係もなさそうな爽やかな人たちを、20年の時を経てなおディープなオタク活動へと駆り立てるコジケンとはいったい何なのか、それを分析し、言語化していくのが私の使命! と想いを新たにするのでありました。
そして家に帰って本を開き、自分のマンガの下手さ加減に愕然とするのでした…(会場では怖くて見られなかった)。ショック…。
皆さま、お疲れさまでした。本に参加させてくださった各サイトさま、会場で声をかけてくださった方、本を読んでくださった方、そして何よりイベントを企画してくださった主催者さま&スタッフの方々、本当にありがとうございました! 若島津ファンやってて良かったです。若島津健、永遠なれ!!